ギメルリング

出典:hum
ギメルリングとはルネッサンス期(15~17世紀)に発明された主に結婚指輪や婚約指輪に使われる指輪のデザインです。
ギメルリングには2本(もしくは3本)のアーム(指を通す部分)があり、それぞれのアームがピボットと言われる連結部分がはまり、組み合わさることによって1本の指輪になるデザインとなっています。
ちょっと知恵の輪のようですが、イメージ的には2連(もしくは3連)のリングがぴったり重なってひとつの指輪のようになるデザインがギメルリングです。
ギメルリングは革新的な結婚指輪だった
ギメルリング以前の結婚指輪は比較的閉鎖的なデザインが多かったのですが、このギメルリングはそれまでには無い全く新しい概念のデザインであり、結婚指輪に本当の意味でのデザインを摂り入れた最初の結婚指輪と言えるかもしれません。
ギメル(GIMEL)の語源はラテン語の「gemini」で「双子」という意味があります。その語源が変化していき「GIMEL」となりました。ヘブライ語でも「3」を表すギメルという単語がありますが関係無いようです。
ギメルリングの深い意味
ギメルリングはパッと見ただけでは1本の指輪にしか見えませんが、よく見ると2本の指輪が重なっているのが分かるという、何とも意味深い指輪です。
ギメルリングは2本の指輪をひとつの指輪にする構造であるため「離れることのない二人」「結ばれた二人」「命の結合」などの意味を持ち、結婚を象徴する指輪とも言えます。
実際にギメルリングはローマ時代に「信用」を意味したフェデ・リング(fede ring)、もしくはアイルランドの「愛と友情」を意味するクラダリング(claddagh Ring)を発展させたものと言われます。その証拠にギメルリングにはフェデ・リングやクラダリングに使われている「握り合っている手」のモチーフが多くあります。
ギメルリングには「二人の命を結合する」という意味合いがあるため、その指輪を外すことは心中を明示するという恐い話しもあります。
ギメルリングを流行らせたのはマルチン・ルター!?
キリスト教プロテスタントの創始者で宗教改革で有名なマルチン・ルターもギメルリングをしていたと言われます。
マルチン・ルターは妻キャサリーナ・フォン・ボラと結婚する際にギメルリングを交換しています。
彼らのギメルリングには結婚した年の「1525年」という年号と「神の結びたまいしもの、人解くにあらず」というラテン語が刻印されていたと言われます。このギメルリングは多くのプロテスタント信者に憧れたようで、レプリカが多く出回ったとされます。
ギメルリングは1600年頃に結婚指輪の主流だったと言われますので、時系列を考えるとギメルリングを広めたのはマルチン・ルターなのかもしれません。

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